ないものねだいありー

気づけば中堅社会人になった、30代中盤社会人の内なる思考をこぼしていきます。読書メモ多め。グロービスMBA修了。

1/13 先人たちの失敗事例から学ぶ

今年2冊目はこちら。

世界「倒産」図鑑 波乱万丈25社でわかる失敗の理由

世界「倒産」図鑑 波乱万丈25社でわかる失敗の理由

 

 

過去の成功事例ならぬ「倒産」事例から、有用な示唆を得よう、というユニークなコンセプトの本。
冒頭にも書かれているが、失敗は成功に比べて詳細が世に出づらい。それは関係者に対する気配りだったり、当事者が話したがらなかったりと色々理由はあるけれど、一番は「成功譚は当事者が話したがる」からだと。確かに。

しかし、成功譚は得てして再現性があるとは限らないものだ。それは結果が時の運によるものだったり、あるいは当事者の主観や誇張によって事実が歪められたりしている可能性がある(酷い場合には成功そのものが捏造の可能性がある・・・それが意図しているかどうかは別として)。
一方で失敗談の場合は、もはや済んでしまったことなので脚色される可能性は低く(する意味もない)、第三者が事実ベースで冷静に分析をしているので客観性が一般的に担保される。加えて野村監督の「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」という名言にもあるように、多少の運要素はあれど、失敗にはそれ以上の必ず明確な原因があるものだ。そういう意味で、失敗談からは普遍的な学びが得られやすい。だから、学ぶ価値があるものだ。

 

前置きが長くなったが、この書籍には25社の倒産事例が載っている。
掲載されているほとんどの企業が、誕生から一時代を築き、そして倒産に至るというプロセスを経ている。かつては栄華を極めた会社が、どのようにして(ほぼ一瞬で)転落していってしまったのか・・・というストーリーが、各社10ページ以内の分量で簡潔にまとめられていて読みやすい。どの会社の事例も、ドラマチックで面白く、それでいて学びが深いものばかり。さらにイラストも親しみやすいので読み疲れしない。それこそ、ビール片手に娯楽作品を鑑賞する気分で読むことができる一冊となっているw

 

ではこの本はただ過去の失敗者たちを笑うための本なのかといえば、そんなことは当然ない。一言で言えば、「立ち止まって考えるきっかけを与えてくれる本」である。

この本に載せられている失敗事例は、振り返ってみれば「なんでそんなことをしてしまったのか」と思うものが多い。また、多くの事例で外部環境の多大な変化(バブル崩壊東日本大震災、9.11、リーマンショックなど)によって”トドメを刺されている”パターンが多いのも特徴的だ(外部環境の変化が”倒産の真因”ではないことが大事なポイント)。
言い換えると、いくら客観的に振り返って「それはありえない」と思うようなことが企業内でまかり通っていたとしても、当事者としてそれに気づくことは相当意識しないと難しく、その状態を放置しているといつかは大きな外部環境の変化によって後戻りできない状態にまでなってしまう、ということになるだろう。
そうならないように、常に高い視座を持って会社を俯瞰的に見て、踏み越えてはいけない一線を超えていないかどうか顧みる癖を付けることが大事だということなんだろう。日常の企業活動にいるとその視座を失いがちだからこそ、この本にはそれを与えてくれるという意味でとても価値があるといえる。

 

上記のような大きく抽象化した学びはもちろん、各個別のケースからもドキッとさせられることが結構あった。
事あるごとに反面教師にできるよう、一冊手元に置いておきたい一冊だと思った。

1/12 2020年の課題図書ー戦略論編ー

本年度の課題図書設定。
書いて言葉にすることが、自分へのプレッシャーになると再認識。
というわけで、カテゴリ別につらつらと明記していく。

 

★戦略論

競争の戦略

競争の戦略

 

⇒ポーター学び直し。実はきちんと読破していない・・・本棚の肥やしにせず、ちゃんと読み、まとめる。戦略の分析の視点を得るために。

 

〔エッセンシャル版〕マイケル・ポーターの競争戦略

〔エッセンシャル版〕マイケル・ポーターの競争戦略

 

⇒再読。上のを読む前に、これを一度読んだほうがいいかな。かつて読んだときよりは理解度上がっているはず。

 

[新版]競争戦略論I

[新版]競争戦略論I

 

⇒ポーターの論文集。先輩が持っているので借りて読む。この3冊で、ポーターについての理解がかなり深まるはずかな。

 

 ⇒ずーっと読もうと思っていながら、読めていない本。一度BBTのeラーニングで内容は把握しているので入って来やすいはず。戦略の考え方について違う角度から学ぶために。

 

⇒これもずっと読もうと思っているけど読み切れていない本。ポーター”以外の” 戦略学派を知るために。経営戦略全史 (ディスカヴァー・レボリューションズ)と併読したら読みやすそう。日本語訳がいまいちなんだよなあ。。

 

ハーバード・ビジネス・レビュー ストラテジー論文ベスト10 戦略の教科書

ハーバード・ビジネス・レビュー ストラテジー論文ベスト10 戦略の教科書

  • 作者: 
  • 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
  • 発売日: 2019/09/12
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 ⇒HBRの戦略論文ベスト10集。上記と同じで、いろいろな角度から戦略論を学ぶために。

 

良い戦略、悪い戦略

良い戦略、悪い戦略

 

⇒最近”面白いよ”と勧めてもらった本。内容は把握してないが、「悪い戦略」についてきちんと書かれているのは良いなと思う。俯瞰的に戦略の良し悪しを把握するために。

 

世界「倒産」図鑑 波乱万丈25社でわかる失敗の理由

世界「倒産」図鑑 波乱万丈25社でわかる失敗の理由

 

⇒今読み進めている本。上記と同じで 、失敗例について学ぶことができる。数多くの失敗事例から、失敗のメカニズムについて把握するために。

 

一旦ここまで。すでに重たい本が結構並んでいる気がするけどまあいいかw

1/11 勉強の方針と具体的なタスクを

数ヶ月先まで決めておくのがいいかもしれない。

その方が、ある程度縛りをもって勉強するし読む本も定められるので良さそう。

 

今日は眠いから具体的には書かないけど、戦略・マーケ・チームビルディングが大きなテーマ。この3つをしばらくはしっかり学ぶという意味で、本を選んでいきたい。

1/9 「プロモーション」についての覚書

ずーっとつかみきれなかった「プロモーション」。

今日、やっと「プロモーションとは何なのか?」という問いに対して、少し自分なりの回答を持つことができるようになった。

以下覚書として。

 

マーケティングの目的は、商品が売れる仕組みを作ること。

・だけど製品が良くて、値決めが適切で、流通していても、消費者は必ずしも買ってくれるとは限らない。

・「プロモーション」とは日本語で「促進」。つまり、消費者に製品を購買してもらうために、行動変容・態度変容を促すこと、である。

・この促進の方法は様々あるが、大きくまとめると「コミュニケーション」を通じて、ということになる。このコミュニケーションは、単純な情報の伝達だけでなく、例えばサンプル配布なども含まれる。

・プロモーションを通じてターゲットをどんな状態からどんな状態へ変容させたいのか、というのが目的にあたる。

・その変容を促すには、何かしら動機づけをする必要がある。その動機づけるための企画が、プロモーションの具体的な施策にあたる。

・だからプロモーションの施策を考えるには、誰の態度・行動を、どんな状態からどんな状態に変えたいのか、そのためにはどのような情報をどんな方法で伝えるべきなのか、あるいはコミュニケーションをするべきなのか・・・という順番で考えるとよい。と思う。

 

メモメモ。

1/8 カルロス・ゴーンの記者会見に対する反応の違いから感じること

ゴーン氏の話す英語からそのまま内容を把握している層と、通訳の日本語やTVの解説を介して内容を把握している層の反応があまりにも違う。

前者は主にNPやFBのビジネスエリート系、後者はヤフコメやTwitter民。これほどまでにメディアによって反応が別れているのには、一種の恐ろしさすら感じる。


どちらが正しい見方なのかは正直わからない(ビジネスエリート層はインフルエンサー(代表は拘留経験がありこの件で最も強く日本の司法制度を批判しているであろうホリエモン)の影響を強く受けている節があるので)

が、情報を幅広く拾った上で自分できちんと考え判断しないといけないなと強く感じさせられた記者会見だった。

思考力と情報リテラシー、大事。

1/6 「さあ、ひっくり返そう」西武・そごうの正月広告

転職してから意識的に広告やプロモーションの領域にアンテナを貼るようにしている。
まあそうでなくても、これは情報として入ってきたのだが、今年の正月広告でぐっときたものが、タイトルにもある西武・そごうの正月広告。数日前のブログにも貼ったかな。

www.youtube.com

内容は見ればわかるので割愛するが、シンプルかつ洗練されたメッセージと、おそらく相当磨き上げられているであろう表現方法にグッときた。
が、しかし何事にも批判はつきもので、中には否定的なコメントも見受けられたりするようだ。

一番多いのは「これをやっても売上に直結するわけではない(だから意味ない)」というコメントだ。これが短期的視点に立って製作された広告ではないと言うのは火を見るより明らかなんだけどね。
といいつつも、たしかに前職で新聞広告を正月に出していたときには、なんとなくコーポレートブランディングだよな・・・となんとなく捉えつつも、何の意味があるのか今ひとつ理解できていなかったかもな、とも思ったりしていた。

 

そんなぼんやりとしたもやりを感じていたところに、これをきれいに解説してくれている記事があった。

www.advertimes.com

 

この記事、読めばわかるが、この正月広告に対する反応をポジネガともに簡単にまとめたうえで、主にネガ要素に対しては問を立てながら丁寧に答えており、とても勉強になる記事だった。
例えば具体的なことを抜粋すると、

(ネガ主張)話題化したところで盛り上がっているのは一部の業界の人たちに限られている。だから売上に結びつかない
⇒(対する問)クリエイティブ自体が話題になり、好感を抱かれることが、企業に対してどのような効果をもたらすのだろうか。
⇒(答)単に新聞読者に対してのメッセージだけでなく、インナーのモチベーションアップに貢献するものでもある。百貨店のような接客が主のビジネスでは無視できない。

といったように。

 

上記は一例だが、この記事の中で取り上げているネガ主張がまたあるあるで、

・この広告には来店のベネフィットがないから効果がないのでは?

・面白い広告は西武・そごうのブランド資産になるのか?

・この広告はそもそも西武・そごうの広告として認識され、ブランド・エクイティとして蓄積していくのか?

など、切れよく回答するのが難しいような主張ばかりを取り上げており、かつそれに対して明快に答えている。
ちなみに筆者は、上記の3つ目の主張のみ、批判として正しい(今後検証する価値がある)といっている。逆に言えば、それ以外の主張は当たっていないと言っているに等しい。柔らかな口調ながら、バッサリいっているw

 

とまあそんなわけで、この記事を読んで感じたのは、どうしても感覚で語れる部分が大きいと思いこみがちな宣伝広告の分野だが、そうであってもロジックはきちんと組み立てることができるということ。
そのロジックはシンプルで、誰が誰に何を届けたいか、そしてそれはなぜ届けたいのか、という論理の組み立てが一貫性を持ったときに、クリエイティブの輝きが最大化する。
だから、ロジックを整理して考えるのがとても大事だし、アートの域に収まらない所以なんだろう。ともすると見失いがちになるこの考え方だが、自分はこういうロジックがないと戦えないので、毎回しっかり押さえるようにしようと思う。

 

あとこの記事でとても印象に残ったのが、「この広告が成り立つためには、このようなブランディング自体が効果的であるような、西武・そごうの会社全体に根幹にあるブランドに対する信念やポテンシャルです。それは、かつてスティーブ・ジョブズ氏が、アップルを再び革命的なブランド文化を持った企業に生まれ変わらせようとした際のような意志があるかどうかです。」というところ。
そういえば前職でも、組織改革を行って数年したときに、それまで売ったことがなかったような正月の新聞広告をうったことがあった。その時は??という感じもあったが、たしかに社内のモチベーションは上がったし、社長を始め経営陣の強い組織改革の意思を感じることができたなと思った。
インナーへのメッセージの出し方とそこに込めるべき意志。こういうことを考えるのが大事になるフェーズも、いずれやってくるかもしれない。そんなときには、この記事のことを思い出そうと思う。

 

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ちょっとここ数日頑張って書きすぎだな笑
インプットとアウトプットのバランスが学びには大事。もうちょいサクッと書く日もつくってメリハリつけよう。