ないものねだいありー

気づけば中堅社会人になった、30代中盤社会人の内なる思考をこぼしていきます。読書メモ多め。グロービスMBA修了。

12/4 競争戦略論を学び直す

最近意識的に早めに帰るようになり(今だけの可能性もあるけど)、娘も早く寝てくれるようになって、夜の時間がだいぶ作りやすくなってきた。
うまく行けば一日2時間、少なくとも1日1時間くらいは、時間をコンスタントに確保できるので、これをうまく使わない手はないと思い、主に本を読むようにしている。
もっとも、勉強のためと言ってビールを飲んでしまうことも多く、そうすると稼働率が50%くらいに落ちてしまうので、勉強する日と飲む日のメリハリを付けなきゃいけないというのが目下の課題だけれどw

 

このところの読書で意識的に選んでいるのが、競争戦略論の分野。
機会があって社内でポーターの勉強会を開いて以来、改めてちゃんと学びたいと思い、学び直している。恥ずかしながら、在学中ベースとなっている理論の学習、特に書籍の読み込みは不十分だったので。
その分分厚い本が多く時間はかかるけれど、いい鍛錬にはなっていると思う。一方で、読んだ分をアウトプットしないと、なかなか定着しないなとも思い、またこのブログに内容と得た学びを記録していこうかな、と思い、こうして記事を書いている。
(余談だが、このブログに徒然なるままにアウトプットするだけでは、星の数ほどあるブログと同じになってしまって面白くないので、どうせなら何かもっと趣向を凝らした形でアウトプットしたいなあ・・・と思っている。一度学んだことがある人が、復習するのに良い題材、という位置づけにしつつ、アウトプットのスタイルに何か工夫できないかなあ。社内の関心のある人向けに、勝手に発信するのも面白いかもなあ)

 

さて、そんな課題意識を持ちながら、最初に記録したいなと思うのが、三谷先生のこちらの本。

経営戦略全史 (ディスカヴァー・レボリューションズ)

経営戦略全史 (ディスカヴァー・レボリューションズ)

 

この本はまあ、経営戦略の理論の本ではないし平易に書かれている本だが、経営戦略の全体像をラフにつかむためにはとても良い本だった。
そもそも「経営戦略」というものの成り立ち、今我々が当然のように使っているポジショニングやケイパビリティを始めとした、経営戦略の分野の概念がどのようにして確立されてきたか。それらにはどのような違いがあるのかがわかりやすくまとめられている。
考えてみたらアタリマエのことだが、昔は「経営戦略」なんて概念すらなかったんですよね。

 

本書は大きく7章にまとめられている。
企業運営のセオリーが何もなかった20世紀初頭の時代(第一章)。そもそも企業活動とは何か、をフェイヨルが定義したことで、次の世代がそれをどう導くべきか、ということを考えられるようになった。ここでかの有名なドラッカーやアンゾフが、企業をどうマネジメントし、どう競争優位を確立していけばよいか、という考えの枠組みを構築した(第二章)。この競争優位の構築は、市場における位置取りによるものだと唱えたのが、これまた有名なポーターを始めとするポジショニング派の考え方(第三章)。それに対して、いやいや組織のケイパビリティこそ重要だろうと唱えたのが、バーニーに代表されるケイパビリティ派の提言(第四章)。ポジショニング派とケイパビリティ派、これにどう折り合いを付けるのか。場合によるのか、新しいことをやり続けるのか。そんな試行錯誤があった時代(第五章)。そうこうしているうちにネットやソーシャルテクノロジーの発展に、激変する環境の中でイノベーションが重視されるようになった21世紀初頭(第六章)。最後はやってみなけりゃわからない!と言わんばかりの、デザイン思考にリーンスタートアップという、試行から学ぶ理論が台頭している現代(第七章)。
一章一節それぞれの内容は簡約化されており薄めだが、時代背景とその変化による理論の興亡がうかがい知れて、とても興味深く読むことができる。

 

この本はいろいろなひとが読むことができるが、個人的には、それなりに学んだことがある人が、自分の知識の現在地を知って、そこからさらに学びを深めるきっかけとする一冊になっていると思う。
自分はこれを読んで、ポーター「競争の戦略」、ミンツバーグ「戦略サファリ」は少なくとも読破しようと思うことができた(+角度はずれるが楠木建「ストーリーとしての競争戦略」この3冊を来年の課題図書に加えようと思った)。

 

ああ、なんだか久しぶりに沢山文章をかいて、ちょっといい気持ち(結局ビール飲んだけどw)
これからまたどんどん書いていくようにしよう。