24・25冊目。
久しぶりの小説!
所要時間合計9時間。
今月からファイナンスを受講するのでその前座に・・・と思って読み始めたところ、えらく面白かった。 こんなに読書に熱中したのは久しぶり。ビジネス書と小説の差というのは、まああるとは思うけれども。
「ゴールデンイーグル」の異名を持つ敏腕投資家を主人公にした、バブル崩壊後の日本における、企業買収と再生をめぐる物語。買収といえば、MBAの中では戦略の選択肢の一つとしてまあよく出てはくる言葉だけれども、こうして物語として読むと、買う側・買われる側双方に、様々な思惑があるのだということがよく分かる。
買収という行為は、たとえ企業が単なる「価格」という無機質な尺度に換算されていたとしても、実質はその企業に属する人と歴史と文化という、極めて生々しいものを手に入れるという行為なんだということを強く感じた。
もちろん、今作で描かれているのはどれも実質破たんしている企業の買収と再生なので、世の中すべて買収という行為がこうだとは思わない。
が、一方ではいくら勉強したからと言って、安易に「買収による成長」などという言葉を使ってはいけないなとも思わされた読後の感想。
その他、バブルをもはや知らない自分たちの世代にとっては、当時の日本の混沌とした様子を知るという意味でももってこいの一冊だった(何せ、企業名のパロディが分かりやすすぎて笑)。
ハゲタカ2も出ているようなので、ぜひこれは読みたいところ。