11冊目。前回に続き、失敗学。
所要時間約2時間半。
前回の「失敗学のすすめ」は失敗学の考え方がメインだったのに対し、こちらは具体的事例から法則を読み解くという形式。理論と具体を合わせて読むと理解が深まって、併読したのは本当に良かった。
書かれている内容としては「失敗学のすすめ」とほぼ同じだが、この本を読んだ中では特に下記3点が重要であるということを実感するようになった。
・逆演算方式の失敗予測という考え方
⇒起こり得る最悪の失敗から原因を洗い出す考え方。「あってはいけない姿」から考える方法といえば分かりやすいか。通常の予測とは逆の考え方ともいえる。
・形骸化と風化により失敗は周期的に繰り返す
⇒大きな失敗には周期性がある。これは偶然ではなく、マニュアル化による形骸化と人がいなくなることによる風化が原因である。マーケティングのPLCと、実は似ている考え方。
・ハインリッヒの法則の「1」を起こさないように、手前の「30」「300」をつぶしていく
⇒小さな失敗をつぶしていくことの大切さ。氷山の一角を出さないようにするためには、氷山を小さいうちにつぶすことが大事である。
そしてこの本を読んでいて何より感心させられたのは、「許されない失敗」に対して「根本原因の解決」ができていないと指摘されている企業や事例は、発刊から今日までの10年間で、実際に大きな失敗を繰り返しているのだ。
著者が何より「失敗は予測できる」と主張していることが、現実に示されている格好でとても感心した。
引き続き、失敗学の書籍は読み続けていきたい。