ずっとまえから気になっていた、PSYCHO-PASS。
8月頭で仕事が落ち着いたこともあり、アニメの1期・2期、劇場版を今月一気観した。
善と悪、勝者と敗者のような二項対立ではないテーマ。
強いて言えば、作品全体を通したイシューは「何を正義と信じるか?」だろうか。
法規の遵守と民主的プロセスを信条とする常守朱。
システムによる効率性と公平性、そして最大多数の最大幸福の追究を是とするシビュラ。
ただただ己が持つ本能的感覚lに従い行動する狡噛慎也。
三者とも正解ではなく、何を信じるかの違いということだが、この作品を通じて一番伝えたかったメッセージは「なんでもいいから自分の正義の拠り所となる信条を持て。それを考えることを諦めたり、他人任せにするんじゃない」ということなのだろうと解釈する。
だからこそ、霜月監視官はあれだけ視聴者に嫌われるような描かれ方をしているのだろう(実際声優にもそういった指示があったようだし)。この作品のメッセージに照らして、唯一「不正解」といえるのは、「思考停止」なんだろうと思う。
シビュラが常守に主張を取り込みつつ、最終的にはシビュラが描く姿に近づいていく無情さを感じたり、狡噛の不器用なまでの一貫した姿勢にある種の羨望を感じたりと、様々な思いを掻き立てられ、また考えさせられながら観続けることができる。
もちろん、ストーリーとしてもどれも面白かった。三期も近く放映されるようなので、ぜひ視聴したいと思う。