こんな記事を読んだ。
記事の冒頭には、コトラーを始めとするマーケティング理論が疑問視され始めている、と書かれたいけれど、全体的にはそこまで強く疑問を呈するトーンではない。
というより、インタビューの焦点は「マーケティング、ブランディングとは何か」というところに当たっている。
その中で、自分が印象に残ったフレーズがこちら。現場目線で、マーケティングの仕事を3つに分類すると、こうだというもの。
一つは、人の心を変えて、結果的に行動を変えること。そして、何かを売るための仕事というのは結構いろいろな、誰の仕事でもないような仕事もありますね。それを拾って動かしていくという、プロデュサー的な仕事もマーケティングで、これが二つ目。三つ目は、それらが一回きりで終わるのではなくて、継続的に回っていく仕組みをつくること。この三つ目の中の打ち手のひとつがブランディングである、というのが僕の認識です。
特に一つ目の「人の心を変える」というのが、しっくりくる表現だなと思う。
この後、ブランディングの大切な要件としてこう述べている。
具体的にどうブランディングするのか。ロゴマークでもCMでも、色とか音とか、パッと見聞きするだけでそのブランドとわかるということが非常に重要ですね。
結局、人の心を動かすためには、まず覚えてもらわないと始まらないというわけだ。
考えてみれば当たり前で、例えば人から何かを頼まれた時、その頼みごとが誰からの頼みなのかによって、応じる可能性は変わるだろう。極端な話、知らない相手からの頼みには、応じる理由がない。
ブランディングもそれと一緒で、そのブランドはどういうものなのかということを(これをブランドパーソナリティとかブランドアイデンティティとかいうのかな)広く認知してもらうことが、購買の第一歩であり重要なのだろうと思う。
そして、このブランディングはマーケティングの一部であり、マーケティングに正解はない、と続く。
自ずと示唆されるのは「自分のマーケティングは、自分で考えましょう」というごく当たり前の結論だと思うし、「商売」というのは、結局そういうことだと思いますね。自分でつかむしかない「愛」と同じように、やはり正解があるわけではないのです。
マーケティングは、愛のようなもの。商売とは、そういうもの。うーん、深い。
が、これがひとつの真理なんだろう。
正解がない以上、ケースバイケースで色々なアクションを取れるだけの引き出しを持っておいて、状況に応じて試行錯誤を繰り返すこと、何よりそれができる経験値が重要ということ。
来春以降、この世界に足を踏み入れるものとして、大事な心構えとして持っておこう。