ないものねだいありー

気づけば中堅社会人になった、30代中盤社会人の内なる思考をこぼしていきます。読書メモ多め。グロービスMBA修了。

6/14 陽明学

本日は読書会のクラス。今日のテーマは「陽明学」でした。

 

真説「陽明学」入門―黄金の国の人間学

真説「陽明学」入門―黄金の国の人間学

 

「心に最大の権威を認める」ことが最大の特徴の思考である陽明学

徳である「良知」は誰でも心中に生まれつき持っているという「心即理」に基づき(孟子性善説に基づく)、これを最大限発揮すること「致良知」こそが目指すべきことであり(格物致知、事物を格(正)して良知を致す)、そのためには私欲をコントロールする「不動心」の獲得が必要で、そのための修養指針として「知行合一」と「事上磨錬」を念頭に置いて日々鍛錬を重ねるべし、大きくまとめるとこんな感じの思想学。

その根底には、「万物一体の仁」という、物事を分離して考えないという原則がある。分離は対立を生み、葛藤や争いの源になるという。

 

非常に難しい、というか慣れない内容で、かなり咀嚼に時間がかかったものの、3時間のクラスディスカッションを経てだいぶ理解は深まった。

人生を豊かに送るには心の修養が必要だ、というのは割とすんなり理解できていたが、それをどうすればいいのか、という行動への落とし込みでヒントを得られたのはクラスの賜物。

 

結局「致良知」にしても、言うは易く行うは難しで、例えば複雑系の俗世においては、「複数の良知」からどれかを選ばなければならない、いわば「最善解」を選ばないといけないシーンがままある。裏を返すと、良知を致したところで少数の悲劇は必ず生まれるということだ。

このような状況に直面した時、自分が最善の選択をできるように。悩んだ挙句に選択を放棄するという「最悪解」にたどり着かないように。結局、日常生活で常日頃から悩み、考え、決断を積み重ねていくことが必要で(これが事上磨錬の真髄)、同時に、学んだことをすぐ実践に落とし込む知行合一の心構えが必要なのだ。

 

この力を修養するために、上の通り意識を持ちながら日々決断を重ねることが大事だが、それ以外にも時間をとって自分を内省したり、パフォーマンスを発揮できるように事物の断捨離をしたりする引き算も同様に大事。

こうしてブログを書くこともまた、1つの行動になるんだろうなと思った次第。あと手帳にその日1日の気分を記号で書く、というのは面白いなと思ったので実践してみよう。

 

こういう思想学ははっきりいって苦手だったけど(自然法則に支配されてるという理系的考え方)、今回の陽明学を経て、人が人らしく人生を満喫するためには、感情や思考や心理を掘り下げて考えることはとても大事だなと実感した。これからその方向にも守備範囲を広げていこうかな。そう思えたクラスでした。