ないものねだいありー

気づけば中堅社会人になった、30代中盤社会人の内なる思考をこぼしていきます。読書メモ多め。グロービスMBA修了。

10/3 読書メモ:裸でも生きる〜25歳女性起業家の号泣戦記

51冊目。 

裸でも生きる ~25歳女性起業家の号泣戦記~ (講談社+α文庫)

裸でも生きる ~25歳女性起業家の号泣戦記~ (講談社+α文庫)

 

 所要時間約1時間。速読でなく読んだ。

かなり読みやすい本だったけど、それでも速読した方が読みやすいし記憶への定着も良さそうだなあ。マインドマップがないとねぇ。

 

バングラデシュをはじめ、途上国の素材を使ったカバンのブランド「マザーハウス」創設者の半生を綴った本。

その生き様はまさに壮絶そのもので、小学校のいじめられた経験に始まり、中学での非行からの柔道へ目覚め、高校で敢えて男子柔道部に所属したうえで柔道日本選手権出場、引退後は合格は不可能と言われた大学入試を経て慶大入学を果たす。

大学在学中には竹中平蔵ゼミに所属し、ワシントンで国際機関のインターンを経験、そこで違和感を感じて2週間現場であるバングラディシュを訪れて、貧国の実態を肌で実感し、その期間のうちにバングラディシュの大学院を受験、初の外国人留学生となる。

バングラディシュ在学中に、一人でできることの限界を感じた最中、ビジネスを通じて貧国に貢献することを発案、そこで考えたのが現地素材のジュークという記事を使ったデザイン性の高いバッグを作り、日本で売ること。そして23歳の時に会社を設立し、多くの出会いと裏切りを経験しながら、自ら鞄をプロデュースし、最終的にマザーハウスを、社会的意義に訴えかけることのない「商品としての質の高さ」で勝負できるファッションブランドへと育て上げる。

 

とにかく著者は、「想いオリエンテッド」で行動しまくる人のようだ。競合校と言われる埼玉栄高校に勝ちたいからと、あえて男子柔道部に入部したり、バングラディシュへの滞在期間中に思い立って大学院を受験したり、売ることを全く考えないまま生産だけして後から会社立ち上げの勉強をしたりと、はっきり言ってプロセスは無茶苦茶だ。

彼女のやり方を万事礼賛するつもりはないし、もっと効率よくやれる方法はあっただろう。結果的にマザーハウスを立ち上げ軌道に乗せられたのも、多分に運の要素があったのかもしれない・・・が、彼女のエピソードから学ぶべきことはそこではない。とにかく、自分が成し遂げたいと思うことを100%できると信じ、壁にぶつかってもあきらめることなくトライアンドエラーを繰り返すこと。そして、そのトライアンドエラーを自分に合ったプロセスで行うこと、これが本書の一番の学びだろう。

上に書いたようなプロセスは、ひとえに「彼女に最も合ったやり方だった」んだと思う。

 

想いの強さは万事に勝る・・・とまでは言わないが、それがあれば自分の身の丈をはるかに超えているようなことでも成し遂げられるのかもしれない。

そう思わせてくれた本書に感謝。自分の志を強く持つ(志は決めに行くもの、という話を先日いただいてこれまた非常にためになる考え方だった)、まずこのことに残りの期間コミットし、それを信じて自分に合ったやり方で、先の人生を歩んでいこう。