ないものねだいありー

気づけば中堅社会人になった、30代中盤社会人の内なる思考をこぼしていきます。読書メモ多め。グロービスMBA修了。

1/28 「失敗学」との出会い

会社の業務の一環で参加した、関係業界の研修会。

法規中心の内容で全般的に倦怠感漂う研修の中、最後の特別講演が不釣り合いなほど面白く、さらに自分の思考の課題を浮き彫りにさせてくれたので、忘れないように書き留める。

 

内容は「失敗学」の考え方で行う、リスクの未然予防と再発防止の話(余談ですが失敗学って有名なんですね。今日まで知らなかった)。

メインは失敗学そのもののエッセンスで、まとめると下記のようなこと。

 

事象から根本原因を導き出す

⇒この時、事象を語るには客観的事実だけでは根本原因の追究には不十分。客観的事実から導けるのは直接原因で、根本原因はそれ以外に「言い訳=動機的原因」が重要であるから。

②根本原因から属性を取り払って一般化し、知識化する

⇒山を登るイメージ。要するに~、とか、つまり~とかいう接続詞をつけると分かりやすい。

③一般化した知識を共有し、属性をつけて自分の分野に落とし込む

⇒山を下りるイメージ。こちらは例えば~とかだから~とか。

 

他にも細かいことはたくさんあったけど、大きな部分はこういうところ。

(おそらく「失敗学」の考え方自体はもっと深いと思う。そこのところはぜひ知りたくなって、かえってさっそく書籍を4冊程度楽天Amazonでポチった)

 

さてこのような内容の講演および質疑応答を通じて、自分がガツンと気づかされたのは、自己課題の認識がそもそも間違っていたということ。

ちょうど一昨日、思考力についての考察を書いたばかりだが、上の①および②のステップと「分析」、③のステップと「解釈」はそれぞれ近い考え方(のつもり)。で、自分は分析は得意で解釈がまだ不十分だという認識だった。

しかし、今日質疑で上のようなことを話したうえで、「登るときのなぜなぜ5回のように、降りる側で何かコツはないか」と質問したところ、「それは違う。そもそも降りるのが上手くいかないのは登り方が間違っているからだ。なぜなぜ5回は直接的原因究明の1つの手段でしかなく、人が関係する以上は必ず同期的原因があるから、「言い訳」を掘り下げていかないと正しい頂上には登れない」という趣旨の回答をいただき、ものすごく納得させられた。

 

いわれると、確かに分析しきれておらずしっくりこないで何周もすることが多くある。これこそが根本原因だ!と、決めきれない瞬間が多いのだ。これは、構造からくる直接原因は掘り下げられても、人間由来の動機的原因が思考の枠から外れてしまっているからに他ならない。

品質管理にしても経営学にしても、人がかかわるシステムの根本的なメカニズムを解き明かすには、構造だけでなく人に起因する原因を追求しないといけないのだ。だから、品質管理では当事者へのヒアリングや現場に行って体験することが大事だし、経営学では顧客や自社(というか従業員)を知ることや、行動経済学や心理統計学が大事になってくる。

そして、十分に根本原因を追求して初めて、一般化と解釈のステップに移行できるのだ。

 

充分に一般化された根本原因を追究するための「動機的原因」の考え方。

定着には訓練が必要だけど、20~50回繰り返せばものになる、と言っていた。今日認識した自分の思考における気づき、これからの課題として訓練していこう。