4冊目。
ストーリーで学ぶ戦略思考入門―――仕事にすぐ活かせる10のフレームワーク
- 作者: グロービス経営大学院,荒木博行
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2013/09/21
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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目的:経営戦略受講に当たり、各フレームワークの復習とさらに具体的な使い方を学びたい。
1/6読了。所要時間約2時間半。
・1章:基本中の基本となる3C・5F・VC分析を丁寧に解説。3Cを視座(マクロ・ミクロ)と立場(買い手・売り手)で分割していたり、5Fの横のライン・立てのラインの特徴を解説していたりと、既知のFWを違う見方で見ることで新鮮に頭に入ってくる。基本ながら地味にこのあたりの分析は結構苦手だったので、分かりやすくて非常に助かる。
・2章:ポーターの3つの基本戦略をこれまた丁寧に解説。利益視点で差別化とコストリーダーシップの明確な定義をし直したり(前者は高い価格、後者は低いコストの実現)、戦略の立て方ではなく実行の仕方まで触れたり(差別化戦略における組織を動かすときや集中戦略を大企業で実行することの難しさのポイント解説)、抜けがちだった点を補完してくれる。
・3章:イノベーションのジレンマ、PLC、PPM、PDCA という著者厳選の経営用語の分かりやすい解説。どれも重要な考え方でありつつ、読んでいて改めてその基礎が分かっていなかったなあ・・・と反省。PPMとか、どうにもコツがわかっていなかったのでそれもとても良い。
全体として、ケース⇒理論⇒現実⇒解説という順番で書かれており、非常に分かりやすい。そのうえ、理論でも現実でも、新しく気づかされることがたくさんある。
この本の一番の魅力は「現実」パートだろう。現実はセオリー通りにはいかないよ・・・というだけではなく、どのような企業で実際にどのような障害が起こるのか、ということを、想像しやすく具体的に書いてくれている。これは、著者の講義経験のなせる業なんだろう。
戦略系の基礎の固め直し、副読本にはもちろん、これ一冊でも大事なことをたくさん得られる良書。